- API エコノミーという言葉を最近、耳にするけど、どういう意味?
- API エコノミーって、何が凄いの…?
- API エコノミーって、非エンジニアにも関係するかな…?
本記事はそんなお悩みを解決すべく、API エコノミーについて非エンジニア向けに解説しました。
API の活用力は、今後の事業を成長させる鍵になりえます。だからこそ、ビジネスサイドの方も API エコノミーを知っておいて損はないでしょう。
API エコノミーについて気になった方は、ぜひ最後までご覧ください!
API とは Application Programming Interface(アプリケーション プログラミング インターフェイス)の略語で、各ソフトウェアの機能やデータを繋ぐ橋渡しのような役割を持っています。
API を例えるなら、優秀な秘書に近いでしょう。スケジュールの予定(データ)を教えてくれたり、調整(データ操作:機能)してくれる秘書のように、API も仲介役として奮闘してくれます。
もちろん、各ソフトウェアの API を複数組み合わせることも可能です。
各ソフトウェアを連携できる API の性質から、レゴやテトリスに例えられることもあります!
引用:API・Web API とは?仕組みや違いを非エンジニア向けに解説! | iPaaS LAB
API に関する解説の続きが気になる方は、API・Web API とは?をご覧ください!
API エコノミーとは?
API エコノミーを一言でまとめると、サードパーティ製の Web API を通じて、事業が拡大していく経済圏になります。
様々なサードパーティ製の Web API が増え、API エコノミーは拡大中です。
参考:2022年に2000兆円、APIエコノミーが日本でも急速に拡大する理由 :日経クロステック Active
API エコノミーの事例紹介
API エコノミーの有名な事例は Uber です。Uber は Google Maps などのサードパーティ製の Web API を活用したことで、開発コストを抑えながら、サービスを迅速にグロースさせました。

他にも、会計ソフトで絶大な人気を誇る freee は、2018 年に API エコノミー形成を目指す新戦略「freee オープンプラットフォーム」を発表しています。

また、オンライン決済の Web API を提供する Stripe も有名です。Stripe を使えば、実装コストが非常に重いオンライン決済の機能を、容易に実装できます。

さらに、各サービスの Web API を連携し、業務フローを自動化する iPaaS(Integration Platform as a Service)という領域も生まれました。
参考:【自動化の鬼】iPaaS とは?メリット・導入コストなど初心者向けに徹底解
海外では、決済、検索機能、チャットなど特定の機能を Web API として提供する企業が増えています。

このように サードパーティ製の Web API を通じて、様々な事業が大きくなり、できあがった経済圏を API エコノミーといいます。
API エコノミーの歴史
現在 API エコノミーが急拡大している理由を、歴史を振り返りながら、紹介していきます。
【過去】全てゼロから開発していた時代
API エコノミーが浸透していなかった時代、難易度の高いコア機能があるたびに、凄腕エンジニアがゼロから開発していました。
そのため、非エンジニア組織では、プロダクト開発には着手が厳しい時代…。エンジニアがいる組織だけが、テクノロジーを活用できました。
【現在】クラウドサービスが充実
時が経つに連れ、クラウドサービス (Software as a Service: SaaS) がたくさん登場。非エンジニアであっても、サービスやツールを組み合わせることで、便利な機能を簡単に使えるようになりました。

また、多くのクラウドサービスの API も世に公開され、開発面でも以下のような大きな変化が生まれます。
- 高度な機能をゼロから開発しなくて OK
- 凄腕エンジニアの属人化も回避できる
凄腕エンジニアの特権だった難易度の高い実装も、API エコノミーによりハードルがダウン。開発サイドも、サードパーティ製の Web API や各サービスを組み合わせることで、新たな価値をスピーディーに創出しやすくなっています。
その結果、経済圏 “API エコノミー” が誕生し、急拡大しました。
ここ最近では、ノーコード・ローコード with API でサービス開発できる時代になっています。また、ある程度の AI のモデル構築もノーコードで実現可能です。
参考:Azure Machine Learning でビジュアル ツールを使用して機械学習モデルを作成する – Learn | Microsoft Docs
今や、非エンジニアでもサービス開発できるようになり、テクノロジーの民主化が始まりつつあります。
API ファーストに秘められた可能性
API エコノミーが加速している今、API ファーストという言葉も生まれています。
API ファーストであるとは、API には多くのユースケースがあり、さまざまなビジネスチャンスを実現できる可能性があると予想することを意味します。
引用:API ファーストとは。ビジネス価値を創造する 5 つの機会 | Google Cloud Blog
Google の公式ブログでは、API ファーストの考え方で得られる 5 つのチャンスについて、言及しています。
引用:API ファーストとは。ビジネス価値を創造する 5 つの機会 | Google Cloud Blog
- 優れた費用対効果
- 市場投入までの時間を短縮する
- 新たなビジネスモデルや収益機会を開拓する
- データを有効にし、ビジネス プロセスにインテリジェンスを投入する
- 復元性と将来性を向上させる
個人的な意見になりますが、「復元性と将来性を向上させる」は API ファーストの隠れた大きなメリットと感じます。
現代は VUCA の時代(変動性が高く、不確実で複雑、そして曖昧な時代)であり、技術の進化も著しいです。そのため、当たり前に使っているサービスやデバイスまでも、今後変わる可能性は十二分にあるでしょう。
その時に求められるのは変化力です。そして、API にはその変化力を持ち合わせており、将来の可能性を秘めています。
おわりに
- API エコノミーは、サードパーティ製の Web API を通じて、事業が拡大していく経済圏
- API ファーストで得られるビジネスの恩恵は大きい
- テクノロジーの民主化が始まっており、API エコノミーも更に加速中
API エコノミーを熟知し、API と各サービスの活用力が、事業を大きくグロースさせるキッカケになるでしょう。
API を深く知るキッカケになれば、幸いです。