- Zapier(読み方:ザピアー)を使うと、自動化できるらしいけど、一体何者…?
- Zapier の活用例や料金プランが気になる…
- Zapier の似たようなサービスもあるけど、違いは何だろう…?
このような疑問にお答えすべく、本記事では iPaaS の一種である Zapier をわかりやすく解説しました。
Zapier を含む様々な iPaaS を実運用した経験から、Zapier の特徴や料金、向き・不向きをまとめています。
Zapier の理解を深めたい方は必見です!
Zapier とは?
Zapier を一言でまとめると、色々なサービスをノーコードで簡単に連携し、自動化できるサービスです。
より踏み込んだ説明をすると、Zapier は海外製の iPaaS になります。
iPaaS とは Integration Platform as a Service の略語で、様々なサービスを連携させ、業務効率化・自動化を支援するサービスです。
より噛み砕いてまとめると、様々なサービスの機能やデータを橋渡しするサービスになります。
【自動化の鬼】iPaaS とは?メリット・導入コストなど初心者向けに徹底解説! | iPaaS LAB
Zapier を使えば、Gmail や Facebook など様々なサービスを横断した業務フローを構築し、簡単に自動化できるのです。また、ノーコードで操作できるため、非エンジニアでも運用可能です!

Zapier の活用事例
実際に、私が Zapier を使って自動化した業務を一部、紹介します。
- Gmail の受信メール → チャットアプリ (Slack) に共有
- チャットアプリ (Slack) に投稿された日本語にリアクション → 英語に翻訳
- Google フォームからお問い合わせ → チャットアプリに共有 → Gmail で自動返信
- Google スプレッドシートに顧客の情報が追加 → チャットアプリに共有 → 請求書の自動発行
このように、Zapier を使えば、様々なサービスのアクションを起点に、横断的な業務フローを簡単に自動化できます。
Zapier の基本用語
Integromat では、頻繁に登場する以下2つの用語さえ抑えておけば、大丈夫です!
単語 | 意味 |
---|---|
App(アップ) | 単体の機能 |
Zap(ザップ) | App が連結した一連のワークフロー |

以下のように、App には様々な種類があります。
- Gmail などサービスとしての機能
- 条件分岐などロジックとしての機能
- 文字変換など文書解析を行うような機能
- etc…
そして、各 App を連携し、1つに繋げたフローがワークフローになります。
Zapier の特徴
Integromat には、他の iPaaS と比べて、以下のような特徴があります。
- 連携できるサービスが豊富
- 高機能なオリジナルの App も豊富
- App の設定が簡単
それぞれ、詳しく解説していきます。
連携できるサービスが豊富
2021.12.27 時点で、Zapier は 3,000 以上ものサービスと連携できます。数ある iPaaS の中で、圧倒的な数を誇ります。
3,000+ integrations
引用:What is Zapier and How Does Zapier Work?
We support the apps you use, so you can automate your business end-to-end.

また、連携したサービスの細やかな機能も基本的に網羅しているため、幅広い自動化を実現できます。
高機能なオリジナルの App も豊富
Zapier には、高度な自動化を行うための便利なオリジナルの App が多数あります。
- スケジュール機能(定期実行)
- フィルター機能(条件を設定し、処理停止が可能)
- 条件分岐(処理の分岐)
出典:Paths by Zapier
Zapier の活用例で紹介した日本語の翻訳も、Translate by Zapier
のオリジナル App を使っています。
Zapier が用意するオリジナル の App も魅力の1つです。
App の設定が簡単
App の設定に関して、UI がシンプルかつ視認性も良いため、操作しやすいです。様々な iPaaS を設定してきましたが、単体の機能(Zapier の場合、App)の設定は Zapier が最も簡単に感じます。
👇 例えば、App の設定にて、所望のデータを簡単に検索可能です。

Zapier の操作で最も多いのは、App の設定です。だからこそ、App の設定がサクサクできるのは、非常に好感が持てます!
ここまで Zapier の良い特徴を伝えましたが、微妙な点もあります。
▲ 無料プランでの実運用は厳しい
各プランの詳細は後述しますが、Zapier の無料プランは、制約が非常に厳しいです。
- 1つの Zap で連結できる App は2つまで
- 運用できる Zap は最大5つ
- プレミアムな App(オリジナルな App など)は使用不可
Zapier で自動化の試作品を作ろうとしても、無料プランでは限界…と感じやすいでしょう。最低でも、有料プランの中で最も安い Starter プラン以上でないと、実運用は厳しい印象です。
Zapier の料金プラン
Zapier の料金プランは以下の通りです。
Free | Starter | Professional | Team | Company | |
---|---|---|---|---|---|
月額 | ¥0 | ¥3,477 | ¥8,522 | ¥52,004 | ¥104,182 |
月額(年払い) | ¥0 | ¥2,318(最安) | ¥5,682 | ¥34,670 | ¥69,455 |
運用できる Zap 数 | 5 | 20 | 制限なし | 制限なし | 制限なし |
Zap 内の App 数 / 月 | 2 つ | 複数可 | 複数可 | 複数可 | 複数可 |
タスク数 / 月 | 100 | 750 | 2,000 | 50,000 | 100,000 |
プレミアムな App | × | 3 つまで可 | 制限なし | 制限なし | 制限なし |
実行の間隔 | 15 分 | 15 分 | 2 分 | 1 分 | 1 分 |
フィルター | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
フォーマッター | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
タスク数とは、A という App から B という App に対して、データを渡した時の数です。
例えば、メールを受信した時にチャットアプリにも共有する Zap を構築したとします。その場合、実行される App 数 は2
ですが、タスク数は 1
とカウントされます。

1
のワークフローまた、ワークフローが実行されるタイミングは、トリガーにデータが存在する時だけです。それ以外では、ワークフローは実行されないため、省エネです。
👇 例:Gmail 受信 → チャットアプリに共有

Zapier はリッチな iPaaS ではありますが、値段相応のスペックを兼ね備えています。詳細は公式の料金プランをご覧ください。
Zapier の向き・不向き
特徴や料金プランを踏まえて、Zapier が最適なケースと不向きなケースを解説します。
最適なケース
以下のようなケースの場合、Zapier は最適です。
- 有料プラン(最低でも Starter プラン)を契約できる予算あり
- 高機能な自動化を行いたい
Zapier は優秀な iPaaS なため、有料プランの価格さえ許容できれば、非常にオススメです。
不向きなケース
一方で、以下のようなケースの場合、Zapier は不向きです。
- コスト最重視で iPaaS を使いたい
- 無料プランで様々な自動化を試してみたい
- Google スプレッドシート(以降、GSS と表記)から行データを一括取得したい
Zapier はリッチな iPaaS なため、コスト最重視の場合は、あまりオススメできません。
また、特定のケースに限定されますが、GSS から行データを一括取得する処理がある場合、Zapier は不向きです。なぜなら、GSS の行データを取得できる最大数が 10 〜 20 件だからです。GSS で何かしらの一括処理をしたい場合は、ご注意ください。

おわりに
以下、まとめです。
- Zapier とは、iPaaS の一種
- Zapier の特徴
- Good
- 連携できるサービスが 3,000 以上
- 高機能なオリジナルな App も搭載
- App の設定が簡単
- 微妙
- 無料プランでの実運用は厳しい
- Good
- Integromat の向き・不向き
- 最適なケース
- 有料プラン(最低でも Starter プラン)を契約できる予算あり
- 高機能な自動化を行いたい
- 不向きなケース
- コスト最重視で iPaaS を使いたい
- 無料プランで様々な自動化を試してみたい
- Google スプレッドシート(以降、GSS と表記)から行データを一括取得したい
- 最適なケース
Zapier の理解を深めるキッカケになれば幸いです!